新型コロナウィルスは現代日本の救世主となりうるのか

新型コロナウィルが世界中の社会システムの見直しを迫る中、日本には固有の社会システムと国民性がある。それならば、日本では、日本固有の意味付けができないか。

いや、新型コロナウィルスは日本にとって救世主となる可能性すらあるのではないか。

ここでは、悲観論ばかりのコロナにうんざりな人のために、コロナのポジティブな側面にフォーカスをあてて、その意味を考えてみたいと思う。

1)DX化の促進

日本政府が推し進めたかったDX化(デジタルトランスフォーメーション化)が促進され、課題だったデジタルなイノベーションが強制的に引き起こされている。
日本政府の号令にもかかわらず、なかなか思うように進まなかったDX化がここにきて促進されることになりそうだ。

ステイホームで企業内のデジタルコミュニケーションは促進され、世代間のデジタルギャップを埋める機会となる。

対応できない旧世代は強制退場となり新陳代謝が促されることで、若手の活躍の場が広がり、活力を取り戻すことができるのかもしれない。

2)人生100年時代の健康の実現

新型コロナウィルスが国民の健康意識を高め、中長期的には医療費をむしろ削減する可能性がある。
世界一の長寿国日本にとって、膨れ上がる社会保障は日本の最大の課題のひとつだ。なかでも、42兆円にのぼる医療費の年々の増加は深刻だ。

新型コロナウィルスの登場以降、人々は日々の手洗い・うがいを徹底し、マスクをつけ、確実に健康意識を向上させている。

また、コロナの再発やその他の伝染病を恐れる今後の世界では、オフィスや店舗での衛生管理が徹底し続けることが予想され、通常の風邪やインフルエンザにかかるリスクも大幅に減っていく。

3)行き届いた地方インフラ

三密を避けることが叫ばれるなか、世界中で逆都市化の流れが起こる可能性が高まっている。
そして、軽井沢など別荘地などはとても賑わっているという。

日本は高度経済成長期以降、世界に類を見ないほどの地方インフラの整備を行ってきた。

過剰とも思われた地方のインフラ整備はここにきて非常に有利に働くことになりそうだ。

zoom会議が浸透し、物価が高く、三密空間の都会に住む意味は薄れている中、日本では地方へ移住しても、全くストレスのないインフラが整備されている。

また、老朽化していた地方インフラの問題も、都会から移住する富裕層の納税によって、再整備されていくことも予想される。

政府の号令で全く期待した成果が出なかった地方創生が、ここへきて棚ぼた的に進む可能性が高まっている。

4)国民皆保険制度と最高水準の医療

「成功した社会主義国」とも揶揄されてきた日本型社会システム。

官僚制度、終身雇用制度などの制度劣化は否めないが、国民皆保険制度や医療設備の充実(100万人あたりCIスキャン数世界一)、或いは清潔な街づくりなどは、コロナ拡散防止と致死率の低下に役立つだけでない。

ポストコロナ時代の人々の生活に有利に働くことは間違いない。

5)復興経験値の高さ

日本は第二次世界大戦、東日本大震災・台風・洪水・噴火などの自然災害など、危機的状況からの復興経験値が非常に高い。
有事の時に村社会で一致団結し、事にあたることはどの国よりも得意だ。独裁政権や超法規的リーダーシップに頼らなくても団結する力を持ち合わせている。

日本はコロナ禍の乗り越え方を世界に示すときではないだろうか。

まとめ

新型コロナウィルスの効果のひとつは、変化を強制する力である。

日本においては、DX化が進まない以上、第4次産業革命と言われる技術革新が事業を淘汰するのは時間の問題だったのは間違いない。

また、国民の長寿化への対応も待ったなしの状況だったが、皮肉にも新型コロナウィルスは国民全体の健康意識の向上を促進している。

明治維新や戦後の復興など、外圧によって変化することが得意な日本。

今回の新型コロナ禍は、バブル経済以降の二十数年に渡る実質的な経済の停滞による閉塞感をブレイクスルーするための大きなチャンスといえるのかもれない。

そして、もう一つの効果は、新型コロナウィルスがもたらす世界の価値観の変化だ。

これは、今まで不利と思われていた日本の特徴が競争力を生む希少性に変わる可能性があることを意味する。

しかし、まずは、世界の人々の健康と生命を守ることが目の前の最も重要な課題であることは言うまでもない。

この記事は2020/4/9にnoteに於いて公開したものです。https://note.com/ceotaro/n/ne2172c666306